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第3回 日本語学科の学生たち

氏名:佐藤修(日本語教育専門家)
仕事内容:国際交流基金の派遣専門家として、キング・サウード大学で日本語を教えています。

質問:キング・サウード大学には日本語学科があるんですね?

はい、キング・サウード大学には日本語学科(言語翻訳学部日本語専攻課程)があります。
学士号学位が授与される日本語コースはサウジアラビアにはもちろん、GCC諸国にも他になく、キング・サウード大学の日本語専攻学科は湾岸諸国における日本語教育の中核を担っています。
2013年9月現在は、約30名が日本語を主専攻で学んでいます。

質問:どんな学生たちなんですか?

素直で活発、そして礼儀正しい学生ばかりです。
教師を高く敬ってくれますので指導もしやすく、授業中も積極的に発言してくれますので授業も進めやすいと感じています。
ただ、大学生で若く、元気溢れるほどエネルギッシュなだけに、ゲームなどの教室活動で盛り上がりすぎると、大声を出したり床を踏み鳴らしてしまうこともあります。
「適度に楽しく」というのは、なかなか難しいものです……

下は、そんな学生たちの写真です。

 

小中高と同様、大学でも制服はトーブ(サウジアラビアの民族衣装)。
小中学生は、きちんとトーブを着てシュマーグ(赤と白のアラブスカーフ)をかぶっていないと先生に怒られるそうですが、大学生は洋服で学校に来る人も少なくありません。

なお、上の写真は、日本語学科前の屋根付き廊下で撮影しました。
キャンパス内は広いのですが、各建物がこのような回廊で結ばれているので、日陰の中を歩いて移動することができます。それでも夏は5分歩いただけで熱射病になりそうな気がしますが……

質問:女子学生はいないんですか?

はい、男子学生しかいません。
サウジアラビアでは、小学校から完全に男女別学。特別に「女子キャンパス」や「女子大学」といった言い方をしていない大学は、普通男子校です。ただ、医学部は例外で男女共学なので、「医学部の学生が羨ましい!」と話す生徒もいます。

質問:学生たちはどのくらい忙しいんですか?

授業時間数は週に15時間程度です。しかし日本語学科では特別に、予習復習中心の課外授業も毎日行っています。それでも週休3日ですので、学生たちは自分のペースで学習し、のびのびと大学生活を送ることができていると思います。

年間の休日に関しては、夏休みが2ヶ月半、10月に犠牲祭休暇、1月に冬休み、3月に春休みが各10日間程なので、他国の大学と大差ないでしょう。

大学生はほとんどが自宅から車で通学するので、夏休み明けの9月上旬には毎年、交通渋滞が激化してニュースになるほどです。驚くほど広い大学の駐車場も、休み明けと試験期間中は見渡す限り車で一杯になります。

質問:教室はどのような感じですか?

 

清掃の行き届いた各教室にはスマートボードが完備されていて、コンピュータは常時インターネットにつながっています。日本語図書はまだ不十分と言わざるをえませんが、基本的に大学の施設は新しく綺麗で、教育設備も整っています。
上の写真は日本語学科専用教室で授業をしている様子です。
教室は、日本的な雰囲気の中楽しく学習できるようポスターや小物で飾り付けをしています。学部に来客があると必ず日本語学科の教室に案内されるくらい、言語翻訳学部の10言語学科の中で一番の模範教室として認められているんですよ。

質問:学食はおいしいですか?

はい、おいしいです。しかも、ボリュームたっぷりなのに、安い!

 


上の昼食、すなわち、炒めご飯に、魚フライ、グリーンピースとじゃがいものトマトスープ煮、オレンジ、オレンジジュースにゼリーのセットが、なんと、たったの2リヤル(約50円)で食べられます。

学生たちの食事の仕方を観察してみると、スプーンで食べる人と手で食べる人の割合は半々くらいのようです。一番人気のメニュー、チキンの丸焼きは手でちぎって食べるのが、やはり食べやすいですね。

質問:日本に留学する学生も多いんですか?

はい、日本語学科は学部2年次に一年間、毎年4、5名程度を日本に送っています。学生たちは慣れない日本での生活に苦労するようですが、その分、贅沢で何不自由ないサウジでの生活を客観視することができ、それまで当たり前と思っていたサウジの素晴らしさがわかり、それらに感謝できるようになるようです。

このように、学生たちは毎日頑張って日本語を勉強しています。みなさんも、そんな彼らを見かけたら是非お気軽に、お声をかけてあげてください。

(2013年10月現在)

*これらの内容は個人的なものであり、外務省や所属組織の見解を代表するものではありません。

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