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サウジアラビアの内政

トピックス

  1. 諮問評議会への女性評議員任命

概要

  1. サウジ統治機構
  2. サウジ行政制度
  3. サウジ立法制度
  4. サウジ司法制度
  5. サウジ地方制度

サウジ統治機構

1. 概観

92年に制定された統治基本法は、サウジがイスラム法を法体系とする王制であることを明記している(注1)。

2. 背景

(1)サウード家は、イスラム純化運動を主張するワッハーブ派を受け入れ、その解釈に基づくイスラム法を施行することと引き替えに、統治者としてのイスラム法的正統性を与えられた。このためサウジは、32年の建国当初より「イスラム法を法体系とする王制」であったが、他方、それを明文化する憲法は、92年の統治基本法制定まで存在しなかった。

(2)92年以前にも、内政上の幾度かの危機に際して、基本法の制定や議会の設置についての構想が発表されたが、実現することはなかった(注2)。しかし、90年の湾岸危機をきっかけに、制度改革を求める国民の声が高まり(注3)、かかる動きを背景に、92年に統治基本法、諮問評議会法、地方制度法の3法が制定された。但し、これらは、基本的には従来の統治機構を変更するものではなく、右を明文化したものと考えられる。


注1) 統治基本法の関連規定
「憲法はコーランと預言者の言行(スンナ)とする」(1条)
「政体は君主制」とし、初代アブドルアジズ国王の子及び孫の中の「最も相応しいものが…王位につく」(5条)
「王国の統治理念はコーランと預言者の言行(スンナ)に見いだされ、コーランとスンナが…全ての王国の規則を支配する」(7条)
「王国の統治はイスラム法に従った、正義、協議、平等に基づく」(8条)
「王国は、家族によるアラブ・イスラムの価値観の保持…のための環境作りを図る」(10条)
「サウジ社会は国民によるイスラムの遵守…に基盤を置く」(11条)
「教育は、イスラムの信条を若い世代に教化すること…を目指す」(13条)
「王国はイスラムの教義を保護し、イスラム法を適用し、善行を勧め、悪を罰し、イスラムの求める義務を履行する」(23条)
「王国はイスラム法にのっとり人間の権利を保護する」(26条)
「犯罪及び処罰はイスラム法の定め又は法令の定めに拠る」(38条)
「裁決はイスラム法の権威のみに委ねられる」(46条)
「コーランとスンナの教義及びそれに反しない為政者の公布した法令に基づき、裁判所は、法廷に提訴された全ての訴訟について、イスラム法を適用する」(48条)
「国王は、イスラムの宗規イスラム共同体を導き、イスラム法と法令の適用…を行う」(55条)
「イスラム法に従って…立法機関は法令と規則を制定」する(67条)

注2) 統治関連法の整備に関する92年以前の試み。
1962年11月、ファイサル皇太子がサウード国王より全権を委任された際、国の基本法を含む大幅な行政改革の目標を発表。
1975年3月、ハーリド国王はファイサル国王の意志を受け継いで、諮問評議会の設置や地方自治制度の整備等について発表。
1980年1月、ファハド皇太子は、79年11月に発生したイスラム過激派集団によるメッカのアル=ハラム・モスク占拠事件後の一連の声明の中で、イスラム法に基づく国家基本法の制定、諮問評議会の設置及び地方自治制度の整備を骨子とした統治機構改革の構想を発表。

注3) 90年11月に女性の運転免許を求めるデモが発生し、90年11月にはリベラル派による第1の請願書、91年5月及び8月には宗教保守派による第2・第3の請願書が提出された。
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